成長するものだけが生き残る『成長するものだけが生き残る』佐賀大学前学長の上原春男氏は、忍耐力を高める秘訣を5つ挙げています。 一、明確な目標を持つ。はっきりした目標があると、周囲の雑音が気にならなく なり物事に集中でき、それが継続力につながる。 二、絶対やりとげるという強い信念、願望を持つ。 三、自分のやっていることに自信を持ち、計画をきちんと立て、知識を蓄える。 四、強い意志力や自制心を持つ。 五、人へのやさしさを持つ。 最後の「やさしさ」こそが忍耐力を高めると同時に、人の度量や成長力を測る ための分かりやすい指標であるというのです。 上原氏は、学生を相手にある実験を長年続けてきました。研究等々で多忙な学生を 狙って、おなかが空いたからとパンを買ってくるように頼み、その対応を観察する ことでした。それを分類すると概ね次のようになりました。 1.「はい、すぐに行ってきます」と二つ返事で速やかに席を立つ。 2.「わかりました」とやりかけの仕事を一段落させて行く。 3.「これをしてから行きますから、少しお待ちください」と当面の仕事を優先。 4.いかにも気乗りしない様子で、黙ってしぶしぶ席を立つ。 5.「なんで私が先生のパンを買いに行かなくてはいけないのですか」と食ってかかり、 結局行かない。 各人の卒業後を見ると、1、2の反応を見せた学生は幸せな人生を歩み、4、5のよう な反応をした学生の人生は、対照的なものになったといいます。 度量を示す「やさしさ」は、一面その人の受容力とも言えるでしょう。 「一切をそのまま受け容れる。文句なしに選択せずに、好悪せず、何も思わず、 その全部を、有難く喜んで頂戴するのである。 仕方なしにやるのではない。もちろんいやいやながらするのではない。がんばる のでも、構えるのでも、『これは一つ、きっとやらねば』というものでもない。ただ、 やるのである。 人は無意識に選り好みをして、チャンスを取り逃がします。眼前に起こる出来事の 一つひとつを「これがよい」と受け容れる、それも「喜んで」受けきる時、新しい力が 湧いてくるものです。受容力にますます磨きをかけ、新たな境地を切り開いていこうで はありませんか。 |